そのほか

慈しみの銀河

詞: ニョロ美

 

盲目の讃美歌が

二枚の耳をちぎって

神様は心得る

貴方の殺し方を

 

指先汚すのは

灰になった祈り

乞うべきじゃなかった

慈しみの銀河

 

傷が傷になった場所          

雨が凍っても

ふたりは液体のままで

囁きつづけた

 

燃えていく星のように

きらきらと抱き合うけど

悪魔が飛ぶ美しい

朝、水をかけられる

 

安息日に繋ぐ

管と管でずっと

いつか心臓ごと

明け渡す夢みた

 

皮膚が皮膚を止めた場所

温い霧が立つ

ふたりはふたりで在ること

拒み続けた

 

噛み付けば錠剤の味

永遠を刻む

錆びては光る刃でした

囁きつづけた

 

あいしてる

あいしてると

 

醜いリノリウム

あられのない実験

赦すべきじゃなかった

銀河は瞬いた

 

瞬きつづけた

漆黒

決して交わることの無い 黒に

僕は魅せられてしまった

決して偽れない 黒に

僕は

 

「おいで、おいで、闇夜へおいで。」

黒い爪で君は手招く

「抱いて、抱いて、静かな闇を。」

黒い服で君は微笑む

 

触れたその手がひやりと包んだ

黒い君だけの世界で

 

「踊ろ、踊ろ、廃墟の街で。」

黒い髪で君は惑わす

「歌お、歌お、破滅を歌お。」

黒い紅で君は微笑む

 

「おいで、おいで、闇夜へおいで。」

「おいで、おいで、闇夜へおいで。」

「おいで、おいで、おいで、おいで、」

 

「そして僕だけを見つめておくれよ。」

「僕だけ僕だけを見つめておくれ。」

純白

僕が

ひとしずく 白を垂らしてしまった

色彩が

鈍い色に変わっていく

 

君が

ひとしずく 白を求めてしまった

色彩を

掻き消したら 眼球 潰した

 

白い風が揺らす 雪の香り

白い冬を掬い上げた 君

 

此れで良かったのさ 僕たちは

ひとは幸せになりたいと、願うから

此処が終焉なのさ 僕たちの

だってほら、夢のように雪が降る

 

 

冬の日々は続く 雪の匂い

白い息を吐いてみせた 君

 

白い嘘で良いよ 雪のような

そして閉じていく僕らの世界

 

 

君は

ひとしずく 白を求めてしまった

僕は

ひとしずく 白を垂らしてしまった