私が起こした 追い風は舞う
君の声を呼び出し 何処まで行くのだろう
朝日が落とした 弓を奏でて
君の唄を道連れに 虹を追え
回る回る 箱庭の夜
天球には 宝石のペガスス
巡る歯車に 藍染めの光が
差し込む頃には朝が広がる
私が落とした 空白は散る
君の唄を頼りに 何処まで行けるだろう
夕日が起こした 蛇を射落とせ
君の声を束ねたら 虹を追え
揺らぐ揺らぐ 箱庭の夜
繰り返すは 円盤オルゴール
明けの金星と 瑠璃色の磁針が
示す方角で道は辿れる
私の呪いは 消えずに残り
君のように歩んで どれだけ解かるだろう
私の衣は 光を集め
君の後を追いかけ どれだけ変わるだろう
私の冠 幻 欠落
君の微笑 逆さの空 風が煽る 眩暈に落ちる
私が起こした 追い風は舞う
君の声を呼び出し 何処まで行くのだろう
朝日が落とした 弓を奏でて
君の唄を道連れに 虹を追え
作詞:raia1224
水があった。私には水があった
幼い時 私にあったもの
誰もが愛でて誰もが褒め
誰もが持ってて誰もが与えられた水
できないのは、あなたのせい
やれないのは、いばしょのせい
水位が下がる。私の中の。
干上がってく 私の中
自立が困難で自律も混乱で
失調していく、干上がっていく
捨てられないのは私自身で
私自身はもう死んだのに
枯れ上がった、乾いた、私
もう何も育たない
どうしてもだめ。何も無理だ。
これ以上育たないこれ以上進まない。
なにがいけないか、わかるのに
もうておくれだといたむのは脳
枯葉は、枯れ木は芽吹かない
枝は落ちてバラバラに
抉れても枯れた「うわべ」だけが
ただ剥がれて行くだけ
渇く 渇くけれど
ここにはもう水はないよ
灰になろう なろう。でも
ここには火さえないんだ
私は立ち尽くす。
枯れた私の中に
いつか、バラバラに解れて 何もなくなりますように。
根も残さず、跡形もなく。
作詞:ニョロ美
乾いたキャンバス放り出して
この血を塗りたくりみせつけたい
ひそやかな行為に身をゆだねて
背骨の在り処探し当てる
凍りつく 石膏の
鮮やかな 嗚咽ごと
砕いても 絶望で
温まない その睛
もう 何処にも行かない
二人だけで作ろう
ずっとえいえんに
赤いアトリエ
不在の稚児を孕み続け
あまやかに絵筆は腐りおちた
夕日が昇って海が燃える
もう何も描けないこんな世界で
たおやかに 閉じ込めて
うつくしい 色ばかり
ちらばって 惨めなの
きらきらと 焼かれてく
聖書ごと 抱きしめて
その皮膚の 味を知り
慈しむ その指を
圧し折って 飾りたい
錆びていく新月をみてた
光にまみれた闇をみてた
貴方だけがかみさまだった
殺してはいけなかったのに
あたしたちが作っているのは
祝福の無いアトリエです
シャボン液の中で死んでく
あたしたちはしあわせでした
あたたかい雪と日々は
音も無く降り積もって
部屋を満たす沈黙は
僕らの歪も包む
君のくれたからくりは
夜を想い 夢の中
いつか歌さえ忘れてしまって
浮かぶ感情は時へ紛れて
書いた手紙も灰に変わって
だけど、僕を忘れないで
悲しみから逃れては
ふたりだけの無菌室
とても癒えない傷跡は
僕らの病も包む
君のくれたからくりは
夜を刻み 錆びついて
いずれ月日も忘れてしまって
二度と想起することもないまま
描いた未来も煙に変わって
だけど、君を憶えてる
君のくれたからくりは
夜を想い 眠りつく
いつか歌さえ忘れてしまって
「すべて失くしてもそばにいるよ」と
書いた手紙も灰に変わって
だけど、僕は
それでも
ついに歌さえ忘れてしまって
澱む感情は海に沈んで
描いた遺作も煙に変わって
だけど、君を憶えてる
どうか、僕を忘れないで
君の言葉を聞かせてくれないか
君の正しさ教えてくれないか
ひたむきに愛されて無力さに傷ついて
愛される意味なんて決めるならもうやめようよ
踊り続けて 不足のワルツ
その牙まで 抱きしめて
永久に響いて 五つのリズム
偽りでも 君なら良い、と
僕の御伽を聞いてはくれないか
僕の淋しさ暴いてくれないか
やみくもに愛しては醜さにただ泣いて
愛してる理由なんて見つけてももう要らないよ
歌い続けて 過剰なアリア
壊れた夢 押しつけて
永久に響いて 変則リズム
僕が逃げた筋書を君は火に焼べた
踊り続けて 不測のワルツ
過ちまで 煌いて
永久に響いて 五つのリズム
君の嘘でも 僕のすべてと
貴方を憎むことができたら、
安らかに眠れるような気がする。
貴方の首筋を鋏で刻んで、
「僕が殺めた」、そんな空想。
青い波間が透き通る夜に 惑い惑う星の定義の論争
貴方が滑らせた果ての無い問 貴方が誘った鏡の迷路
一番 素晴らしいのは何と云うの
認めて、濁りの無い僕の美徳を
溢れる活字の渦、満たされない
貴方さえ、貴方さえ、居なければ
居なければ
貴方を憎んでしまったなら、
日没、海へ死にに行きます。
貴方の輪郭が最期に浮かんで、
安らかに目覚めぬような気がする。
赤い花弁が透き通る夜に 黄金の林檎をめぐる審判
貴方が転がした果ての無い欲 貴方が閉じ込めた執念の檻
一番 美しいのは何と云うの
求めて、紡ぎ続ける僕の世界を
醒めない夢を叫ぶ、満たされない
貴方さえ、貴方さえ、貴方さえ居なければ
一番 大切なのは何と云うの
答えて、幻想だけの僕の歌だと
溺れる愛の台詞、満たされない
貴方さえ、貴方さえ、居なければ
居なければ
もしも、明日貴方が 目覚めなかったとしたら
冷えた寝床の上 息絶えていたとしたら
此の部屋に庭園を作って
灰になった貴方を撒くわ
白いがらんどうの部屋
葡萄の樹は伸びて
枝は悲しみをも伝い
きっと生きていけるから
いつか交わした誓い 手紙の隅の約束
ひとりになったなら 何の価値が残りましょう?
どうか泣かないで、と 言い聞かせてくれるけど
そんな記憶さえも 痛みを広げるのかな
白いがらんどうの庭
涙から花が咲き
一滴の蜜を舐め
きっと生きてしまうんだ
白く閉ざされた庭
芽吹く小さな世界を
守り続けるようにして
どうか生きてと願うなら
もしも、明日貴方が 目覚めなかったとしたら
もしも、明日貴方が 目覚めなかったとしたら
此の部屋に庭園を作って
一握りの灰を
一握りの貴方を撒くわ
重たい躯と孤独を抱えて
木彫りの柱を夜毎数えて廻る
いつか眠れない呪縛から解かれんことを
休まる場所を探せど
意識ばかりが磨がれて
此処に救いは無いのに
出口へ辿りつけない
優しい貴方は白い靄に消え
光はすり抜け廊下で砕けた
非力な祈りを連ねては壊す
果てない苦痛を思い出さないように
救えなかった 消えていった 影が
嘆くように 恨むように 横切る
もしもきみの神さまになれていたのならば
夕暮れが注がれる 寂しい病の底で
悲鳴さえ透き通る 奇麗な空を見つめる
雲の梯子 天使が来て 探す
泣き疲れた 病み痛んだ 命を
黒い河に 陽を沈めて 幾夜
失ったものの数を思い出す
もしもぼくが神さまであったとしたならば
夕暮れが染め上げる 白いカーテンの中で
揺れている胸の音 奇麗な空だけが信じられた
夕暮れで満たされる 檻でひとり目が覚める
涙さえ揮発する 奇麗な空を見つめる
救えなかった 消えていった ひとを
嘆いたのは 恨んだのは 残し往くのは
なだらかに暮れる街に
手を振れば
行かなくちゃ
明日の道は何処だろうか
歩いていく
生きるために
守れるものなど 何にも無くとも
私は旅をするのです
そして いつか帰る家を知るのです
知るのです
青い鞄閉じたのなら
鍵をかけ
前を見ろ
昨の空を焼き付けて
歩いていく
生きるために
失い続ける 思い出だろうと
私は抱えいくのです
そして いつか愛のもとへ帰るのです
帰るのです
消えた記憶はどれだけあるだろう
あとどれだけの時間があるだろう
遠い、未だ遠く 光る
雨の帰るところ
守れるものなど 何も無くとも
私は旅をするのです
そして いつか
そして いつか帰る家で待っていてくれますか